肥満

肥満がある人には生活習慣病が起こりやすい

医学的にいう「肥満」とは、体脂肪が増えすぎた状態をいいますが、体脂肪は簡単には調べられないので、一般には、身長と体重から肥満の判定をしています。

現在、最も広く用いられているのが、BMIという体格指数による判定法です。統計的にはBMIが22のときに病気になる確率が最も低いことから、その体重を標準体重とし、BMI25以上が肥満と判定されます。

肥満が健康上よくないとされるのは、生活習慣病の多くが肥満と関連して起きてくるからです。こうした健康障害をともなう肥満は「肥満症」という病気で、お腹の臓器のまわりにつく内臓脂肪が過剰にたまった「内臓脂肪型肥満」も、病気をおこしやすい危険な肥満とされ、こういう人は、原料することが、合併症の改善にも、生活習慣病の予防にもつながります。

BMIによる肥満の判定

●BMIの求め方
BMI = 体重(㎏) ÷ {身長(m)× 身長 (m)}

BMI          判定
18.5未満        低体重
18.5~25       普通体重
25以上         肥満

肥満治療に漢方薬の効果が注目されている

肥満症の治療の基本は、食事療法と運動療法、そして、肥満につながる習慣を改める行動療法です。しかし、高度の肥満や合併症のために、運動などが十分に行えないこともあります。

肥満症治療薬として処方される西洋薬には、マジンドールという食欲抑制薬や、セチリスタットという薬がありますが、肥満症の治療に広く使えるものとはいえないので、最近では漢方薬が注目を集めています。

肥満症に適応のある医療用医薬品として「防風通聖散」や「防己黄耆湯」などがあり、近年の臨床研究でも減量効果、内臓脂肪の減少などが報告されており、漢方薬が肥満症の治療法のひとつになり売りと考えられています。

ただし、美容目的のやせ薬ではありませんし、「防風通聖散」などでは、まれではありますが、間質性肺炎や肝機能障害の副作用も見られていますので注意が必要です。

過敏性腸症候群

腸がけいれんして下痢や便器を繰り返す

「過敏性腸症候群」は、腸に炎症や明らかな異常が見られないのに、腹痛や腹部膨満感をともなう下痢や厳秘が繰り返し起こる病気です。

便通異常の現れ方から、「下痢型」「便秘型」「下痢と便秘が交互に起こる「交代型」の3タイプに分けられますが、この場合、便秘も下痢も腸のけいれんによって起こります。原因はストレスによる自律神経のバランスの乱れと考えられています。

機能性の異常であり、ストレスのかかわりが大きい過敏性腸症候群は、漢方が向くタイプの病気です。

心身の症状に応じて漢方薬が使い分けられる

漢方では、心と体をひとつのものと考えて不調をとらえ、便通異常の改善と共に、心身の状態を整えるように治療を行います。

治療には、腸の過剰な運動や緊張をやわらげる「芍薬」を含む薬剤がよく使われます。代表的なものが「桂枝加芍薬」で、体力がない「虚証」の人に向く薬で、下痢にも便秘にも使えます。

特に下痢型の腹痛に有効で、抑うつや不安が強い人では「半夏瀉心湯」や「香蘇散」を用いることもあります。

西洋医学による治療

「過敏性腸症候群」に対する西洋医学の治療としては、自律神経に作用して腸の運動を抑える薬や、便の水分を調節する薬などがあり、下痢や便秘が強ければ、それを抑える薬も併用され、そのほか、精神的なストレスが強い場合には、抗不安薬や抗うつ薬などを併用することもあります。

下痢

急性か慢性か、原因は何かに応じた対応が必要

食べたものは、胃から小腸を通る間に消化吸収され、残りが大腸に入って、ぜんどう運動によって運ばれながら、水分が吸収され、徐々に便の形を成していきます。

下痢とは、便中の水分量が多くなって、軟便、泥状便、水様便などになることをいいます。何らかの原因で腸管内の水分が多くなったり、十分に吸収されなかった利すると起こります。

腸管のぜんどう運動の亢進が原因で起こることもあります。下痢には急性のものと慢性のものがあり、原因や対応が異なります。

急性の下痢

細菌やウイルスによる感染性腸炎、薬剤などによる中毒、食物アレルギーなどが原因で起こります。このような下痢は、有害なものを排除しようとする生理的な反応で、むやみに下痢止めを使うと病気を悪化させかねません。

治療では、脱水状態にならないように、水分補給を十分に行うことが大切です。感染性腸炎で症状が重い場合には、抗菌剤を用いることもあります。

●慢性の下痢

癌、潰瘍性大腸炎、クローン病、甲状腺機能亢進症などが原因で下痢が続くこともあるので、先ずこうした病気がないかを調べる必要があります。
検査で特に原因となる異常がないのに下痢が続くようなら、胃腸の働きの低下や冷え、ストレスなどが原因と考えられ、漢方治療が向くといえます。

漢方では、おなかを温めて腸の働きを整える

下痢は、胃腸の弱い「虚証」の人に多く見られ、大抵は、お腹が冷えると下痢しやすくなります。そこで、漢方では、お腹を温めて腸の動きを整える「人参湯」や「桂枝人参湯」「真武湯」などがよく用いられます。夏バテで、全身倦怠感をともなう下痢には、「清暑益気湯」が良いこともあります。

もう少し体力のある「虚実間証」の人であれば、お腹がグルグルなる様な下痢には「半夏瀉心湯」、口の渇きや尿量減少がある場合には「五苓散」、発熱やしぶり腹とともなう強い下痢には「黄連騰」などが用いられます。

便秘

常習性便秘のほとんどは腸の働きが悪くなって起きる

排便は毎日なければ異常というものではありませんが、便が硬くてスムーズに出なかったり、腹痛やや不快感などがある状態を「便秘」と呼んでいます。
便秘の中には、大腸がんなどの病気が原因でおこる「器質性便秘」もあり、その鑑別は必要ですが、そうした病気の無い常習性の便秘は、殆どが腸の働きが悪くなって起こる「機能性便秘」です。

機能性便秘は、「視感性便秘」と「けいれん性便秘」の2つのタイプに大きく分けられます。

●弛緩性便秘
大腸の緊張が緩んで蠕動運動が弱くなり便がうまく運ばれていないために起こります。高齢者や腹筋の弱い女性、肥満している人に多いタイプ。運動不足や食物繊維不足、ダイエット、便秘を我慢することなどが原因になる。

けいれん性便秘
大腸のぜんどう運動が強すぎて、収縮した腸管がくびれたりして、便の通りが妨げられるために起こります。
若い人に多く、兎の糞のようなコロコロした硬い便が出るのが特徴で、ストレス、睡眠不足などが原因。

西洋医学でもどちらのタイプの便秘かを客観的に調べる検査法はまだなく、判別がつきにくい場合もあり、女性の場合はホルモン分泌の変動も血流に影響し、骨盤内や腸壁に血液がうっ滞すると、便秘が起こりやすくなります。

便秘の解消には、生活習慣の改善とあわせて薬をつかう

機能性便秘の解消には、まず排便習慣の改善、食物繊維の多い食事、適度な運動などが大切で、それでもつらい場合に薬を使います。

西洋医学では、腸を刺激して排便を促す薬や、腸内水分量を増やして便を柔らかくし、排便しやすくする薬や、肛門から注入して腸を直接刺激する浣腸薬などが用いられます。

漢方では「大黄」を含む薬を体力などによって使い分ける

便秘に対する漢方治療は、機能性便秘が対象になり、漢方では便秘は「気逆」「気虚」「瘀血」「血虚」「水滞」など、「気血水」のさまざまなバランスの乱れから起こると考えられています。

治療の中心となるのは「大黄」という生薬を含む漢方薬で、「大黄」には腸を刺激してぜんどう運動を促す作用があり、西洋医学でも刺激性下剤のひとつとして使われています。漢方では、単に排便を促すだけでなく腸管を温めたりうるおしたりする生薬の作用も生かして、腸の働きを整えるようなさまざまな処方があり、体力やあわせもつ病状によって使い分けられます。

代表的な処方が「大黄甘草湯」

便秘に用いられる代表的な漢方が「大黄甘草湯」です。近年の研究でも、便秘に対する有効性が改めて証明され、便秘以外に特に症状がなく、体力が中等度以上のひとであれば、まずこの薬を使うのが一般的です。

●実証の場合

体力があり、胃腸が丈夫な「実証」の人では「大黄」と共に「芒硝」という生薬がよく使われます。
「芒硝」は天然の含水硫酸ナトリウムで、便の水分量を増やして柔らかくする作用があり、代表的なのが「調胃承気湯」で、腹部膨満感をともなうなら「大承気湯」、女性に多い「瘀血」がる場合は「桃核承気湯」や「大黄牡丹皮湯」などがよく用いられます。
そのほか、上腹部が張る様な感じのある人では「大柴胡湯」、のぼせ気味で顔面充実のある人では「三黄瀉心湯」などがよく使われます。

虚証・虚実間証の場合

より体力がなく胃腸が弱い人の便秘には「大黄」とともに、その刺激を柔らかくする生薬が配合され、腸を温めたりうるおしたりする処方が用いられます。「虚証」の場合は「麻子仁丸」「虚実間証」の場合は「潤腸湯」が代表的です。特に腸が乾燥して便が硬くなりやすい高齢者には、これらがよく用いられています。

ただし、「虚証」の人では「大黄」は刺激が強すぎて腹痛が起こることもありますので、そういった場合には「大黄」を含まない薬が選ばれます。主に、血流を改善して腸を温めるような薬を使って、腸の働きの改善をはかります。
冷えや腹痛をともなうような人では「大建中湯」や「小建中湯」「桂枝加芍薬湯」などがよく使われます。

漢方薬を使う場合も、便秘を招きやすい生活習慣の改善は欠かせません。漢方では食べ物もなるべく暖かいものをとるようにし、お腹を冷やさない服装を心掛けましょう

痔の漢方治療

便秘がちな人には、痔の悩みも少なくなく、便秘は痔を悪化させ、痔があると排便を我慢して悪循環になります。痔に使われる薬として漢方で代表的なのが「乙字湯」で、血の巡りを良くして肛門周辺のうっ血状態を改善し、特に「いぼ痔」の治療に適しています。
痔の痛みには「紫雲膏」という塗り薬もあり、痔の出血があるときには「三黄瀉心湯」などが用いられます。

胃もたれ、食欲不振、胃痛、胸やけ

検査で異常がない胃の不振と漢方の有効性

胃がもたれる、食が進まない、胃の痛み、やける感じなど、胃の不調と思われる症状はいろいろあり、その中には、胃がんや胃・一二̪指腸潰瘍のように、西洋医学的な治療を優先すべきものが含まれていることもあり、まずは検査でその鑑別をすることが大切です。

また、胸やけを感じている人の中には、胃酸が食道に逆流する「胃食道逆流症」もみられ、これには、食道に炎症や潰瘍などの病変がある場合(逆流性食道炎)と、病変の無い場合(非びらん性逆流証)が含まれ、内視鏡検査によって診断します。

検査で特に異常がないのに、慢性的に胃の不調が続くものを「胃腸症」といい、以前は「慢性胃炎」とか「神経性胃炎」などと呼ばれていたもので、この胃腸症や 非びらん性逆流証 には、漢方が向いています。

漢方では健康を維持するうえで胃腸の働きを重視しており、胃腸の調子を整える漢方薬が多くあります。近年は西洋医学的な方法により、その有効性を検証する研究も進んでいます。

多様な働きが確かめられた「六君子湯」が代表的な薬

「胃腸症」の大きな原因は、異の運動機能の異常で、異の運動機能とは、口から入ってきた食べ物を貯留し、蠕動運動によって食べ物と胃液を混ぜ合わせ、ドロドロになった食べ物を十二指腸に送り出すというものです。

食べ物が胃に入ってきたときには、胃がリラックスして拡がることが重要で、胃がうまく広がらないと、貯留機能に支障がでて、少量の食事で直ぐに万腹になってしまいます。そうなると、かくはん、排出機能も低下して、胃もたれなどが起こりやすくなります。

漢方薬の「六君子湯」は、近年の研究により、胃腸の平滑筋を弛緩させて胃を広がりやすくさせることが分かってきました。胃の貯留機能の改善は、かくはん、排出機能の改善にもつながります。

また、食欲を増進させる「グレリン」というホルモンの分泌を促す働きもみられ、これが食欲不振の改善に役立ち、さらには、胃粘膜の血流を改善して、粘膜を保護する効果もあり、一つの薬で多様な効果が得られるのも漢方薬の特徴と言えるでしょう。

こうした効果が明らかにされてきたことで、「胃腸症」の漢方治療では「六君子湯」が代表的な薬になっています。

体質や症状に応じて漢方薬が選択される

もともと「六君子湯」は、配力が低下した「虚聰」で冷えやすい「陰証」の人に向く薬で、胃腸が弱くて、疲れやすく、みぞおちがつかるような感じのある人の胃腸の不調に用いられてきました。漢方では、ほかにも「胃腸症」などの症状を改善するような薬がたくさんあり、体質や症状に応じて使い分けられます。

例えば、胃もたれや食欲不振が中心でも、より胃腸が虚弱で、冷え性のある人には、「人参湯」が用いられたり、下痢がちな人では「平胃散」が用いられたりすることもあります。

また、胃痛に対して使われる薬としては「安中散」「半夏瀉心湯」「黄連解毒湯」などが代表的です。胸やけなどには「茯苓飲」「半夏瀉心湯」「黄連騰」などが用いられます。
いずれも、漢方では、ひとつの薬でいろいろな症状を改善することが期待できるので、あわせもつ症状も含めて医師に伝え、合う薬を選んでもらうことが大切です。

アレルギー性鼻炎、花粉症

アレルギー性鼻炎は漢方治療が適する病気

「アレルギー性鼻炎」は、「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」が三大症状で、特定の物質が体内に入ると、過敏反応が起こって症状が現れます。原因となる物質(アレルゲン)は、ハウスダストやダニ、スギ、ヒノキ、ブタクサなどの花粉が多く、花粉が原因の場合に「花粉症」と呼んでいます。花粉症では多くが目のかゆみや充血を伴います。

アレルギー性鼻炎に対して、西洋医学では、内服の抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド宅などが用いられ、目の症状が強い場合は点眼薬を用いることもあります。アレルゲンを特定するための検査も行われていますが、治療で使う薬は症状を抑えるためのもので、根本的治療をするためのものではありません。

アレルギー性鼻炎の治療は漢方が得意とするもののひとつで、漢方では原因に関係なく、また症状が現れている部位にこだわらず、全体の症状を整える薬で改善をはかります。

漢方では「水滞」ととらえて治療を行う

漢方では、水のようなサラサラの鼻水やくしゃみが止まらないような状態を、主に「水」の流れの異常である「水滞」ととらえます。アレルギー性鼻炎の急性期では、これを共通症状として、あわせもつ症状や全身状態によって薬が選ばれます。

代表的な処方が、「小青竜湯」で、体力が中くらいの「虚実間証」を中心に、体力がない「虚証」の人にも体力がある「実証」の人にも使われることがあります。胃のあたりを軽くたたくとポチャポチャと音がする「胃部振水音」のある様な人が典型的な適応です。近年の西洋医学的な臨床研究の結果でも、アレルギー性鼻炎に対する有効性が最も確かな漢方薬となっています。

そのほか、「虚証」で冷えがあるような人では、「麻黄附子細辛湯」や「苓甘姜味辛夏仁湯」などが用いられることもあります。
また、漢方治療では、症状がない時期から薬を飲み始めて、体質改善をはかることもあります。

漢方で体質改善

体質改善によく用いられる漢方薬は、「柴胡桂枝湯」や『柴胡桂枝乾姜湯」など、「柴胡」という生薬を含む柴胡剤です。「補中益気湯」も柴胡が入っており、広い意味で柴胡剤の仲間で、症状が出たら、収まるまでは上記のような簡保役を併用します。
体質改善のための漢方は、数年飲み続けることもありますが、症状が軽くなり、中には出なくなる例もあります。

咳、痰(気管支炎、気管支喘息)

先ず、漢方治療の向き、不向きを確認

咳や痰といった症状は、漢方治療によって改善できることが多いのもが、これらの症状が現れる呼吸器系の病気には、西洋医学による治療が必要なものもあるので、その鑑別は大切です。
例えば、結核、肺がん、肺炎などは、西洋医学による治療が必要で、これらを見逃さないために、必要に応じて胸部エックス線検査なども行われます。
高齢者は風邪から肺炎を起こしやすく、高熱や激しい咳などが見られないことも多いので、注意が必要です。

気管支炎や気管支喘息は、漢方治療を考えることができますが、状況に応じた対応が必要で、気管支炎でも、細菌感染が関係している場合は、西洋薬の抗菌薬を使います。
気管支喘息では、吸入ステロイド薬が基本的な治療で、激しい発作を起こしたときには、気管支拡張剤や点滴などによる治療が必要です。

粘っこい痰か水っぽい痰かが漢方薬を選ぶポイントになる

漢方では、原因を区別せず、呼吸器の症状を、五臓のひとつである「肺」の異常と考え、痰や咳の状態、あわせもつ症状、体力などに応じて薬が選択されます。
粘っこくて切れにくい痰が絡むような咳が続く場合に使う漢方薬としては「清肺湯」が代表的で、「麻杏甘石湯」は体力のある「実証」の人に向く薬で、一時的な強い咳に頓服的に使うこともあります。
「麦門冬湯」は体力の低下した「虚証」の人に向く薬で、乾いた咳が続いているような場合によく用いられます。

いっぽう、薄い水っぽい咳が多量に出るような場合には「小青竜湯」、似た症状があり冷えが目立つ場合には「苓甘姜味辛夏仁湯などが用いられ、さらに冷えが強く、体力が低下した人では「麻黄附子細辛湯」が用いられることもあります。

これらの漢方薬は、気管支炎や気管支喘息での咳や痰に限らず、慢性閉塞性肺疾患や慢性副鼻腔炎などで同様の症状があるときにも用いられます。

鎮咳薬の使い過ぎは要注意

痰や咳は、もともと気道に侵入した異物を排除して体を守る防御機構の一つで、出なければよいというものではありません。
西洋薬の咳止めには、咳を抑える力が強力なものもありますが、慢性的に咳が多く出るような病気では、咳を止めると呼吸が困難になったり、感染を悪化させることがあるので注意が必要です。高齢者の誤嚥性肺炎などは、必要な咳が出ない人に起こりやすいことが知られています。

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風邪のひき始めと長引いたときでは漢方薬も変わる

一口に風邪といっても、引き始めの初期のかぜと、こじれて長引いたときでは「証」が変わり、それにともなって治療に使う漢方薬も変わります。

ひき始めのかぜには

「陽」で「実」の場合、頭痛、関節痛、咳などの症状が激しいときには「麻黄湯」がよく用いられ、「葛根湯」は「麻黄湯」ほど症状が強くなく、肩や首の後ろのこわばりが目立つような場合に特に向く薬です。

「陽」で「虚」の場合、皮膚が汗ばんでいるようなら「桂枝湯」、水のような鼻水やくしゃみ、咳などが出ていれば「小青竜湯」がよく用いられます。
悪寒・寒気が主体の「陰」の場合には、「麻黄附子細辛湯」が代表的です。

長引いたかぜでは

痰の切れにくい咳が続いたり、のどの乾燥感が主になってきた場合は、「麦門冬湯」がよく用いられます。吐き気や食欲不振があるようなら「小柴胡湯」や「柴胡桂枝湯」を用いたり、倦怠感が目立ってきたら「補中益気湯」を用いたりします。

高齢者や持病のある人は「麻黄」の副作用に注意

かぜの治療には「麻黄」という生薬を含む漢方薬が良く用いられます。麻黄には咳や痛みを鎮めたり、発汗を促す効果がありますが、副作用で血圧上昇、頻脈、動機などが起こることがあります。
かぜで数日服用するくらいなら、あまり問題にはなりませんが、高齢者や、高血圧、心臓病などの持病がある人は注意が必要です。

インフルエンザに対しては

インフルエンザの治療には、西洋薬の「抗インフルエンザウイルス薬」を持ちるのが原則です。
インフルエンザのような症状に対しては、漢方では古くから「麻黄湯」などが用いられてきました。
「証」に合った漢方薬を用いれば有効な場合が多いと思われ、科学的にそれを証明しようとする研究も進められたいる。

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かぜ

漢方では熱を下げずに体を温めて発熱を助ける。

かぜに対する西洋医学的な治療では、解熱鎮痛座薬を中心に、咳があれば咳止め、痰がからんでいれば痰切りなどと、症状に応じて複数の薬を併用するのが一般的であり、いずれも、かぜの原因を取り除くものではなく、あくまで対象療法です。

かぜを治すために抗生物質を使うものと思っている人もいますが、かぜのほとんどはウイルスが原因で起こり、抗生物質は効きません。抗生物質が必要なのは、細菌感染が疑われたり、肺炎の恐れがあるときなどに限られます。

風邪の治療における漢方薬も対症薬といえますが、考え方はかなり違います。一般に、風邪の初期に発熱すれば薬で熱を下げようとしますが、漢方では、むしろ体を温めて、発熱を助けようとするのが基本です。それによって闘病反応を高めたり、発汗を促したりすることで、結果的に熱が下がるのです。

風邪で熱がでたときの解熱効果について、漢方薬と西洋薬の解熱薬を比較したところ、漢方薬のほうがむしろ早く熱が下がったと報告されています。
また、一般的に、漢方薬は効果が表れるまでに時間がかかると思われがちですが、風邪の治療ではかなりの即効性があり、服用して30分ほどで熱がやわらぐなどの報告が見られています。

風邪に対する漢方薬と西洋薬の解熱効果

かぜをひいて、初診時に37℃以上の熱がある大学生80人を対象に、漢方薬と解熱薬の効果を比較したところ、漢方薬のほうが早く熱が下がったことが観察されています。

かぜの漢方薬は「陰陽」「虚実」で選択される

かぜの診断では、漢方の代表的な概念のなかでも、寒さに支配された「陰」か熱に支配された「陽」か、また。、病気に対する抵抗力や反応が弱い「虚」か、強い「実」かが重要になります。

かぜでは、症状が激しく表れるのが「実証」、あまり激しく表れないのが「虚証」で、比較的高い熱が出るのが「熱証」、熱はあっても微熱程度で、悪寒や寒気が主体の場合は「寒証」になり、漢方薬は、こうした「証」に応じて処方されます。

例えば、「葛根湯」はかぜの時によく用いられますが、本来、「実証」で「陽証」の場合に向く薬です。もともと体力が低下している高齢者などは、「虚証」で「陰証」の場合が多く合わないことがあります。

漢方におkる診察と治療の進め方

「四診」によって「証」を見極める情報を集める

患者さんが「陰・陽」「虚・実」のどこにいるのか「気・血・水」にどんな異常が生じているのかななどを把握して「証」を見極めるために行われるのが「四診」です。
医師の五感をフルに活用して行われる漢方独特の診察法で「望診、聞診、問診、接診」の4つの方法があります。

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「望診」は目でみて

目でみる診察法で、患者さんの顔色や皮膚の色艶から、体つき、目の光、唇や歯ぐき,舌、爪、さらに動作や神経症状までを含めて、医師の資格によって情報を得ることで、「望診」のなかでも、舌をみるのを「舌診」と呼び、漢方では特にその所見を重視します。舌の色や形、舌の表面についている舌苔の色や状態は「証」を見極めるポイントのひとつです。

「聞診」は耳と鼻で

耳から聞く、鼻で臭いをかぐことによって情報を得る診察法で、患者さんの声の大きさや、はり、話しぶり、呼吸音や、咳、体臭や口臭、便臭などが判断材料となります。

「問診」は患者さんの訴えから

西洋医学の問診と同様に、患者さんから症状を聞いて情報を得るのですが、漢方では、特に自覚症状の訴えを重視します。

冷えやのぼせ、口の渇き、汗のかき方、便通や排尿の状態や、なんとなくだるいなど、受診の動機となった病状以外の、患者さん自身も重視していないような症状も、「証」を見極める重要な情報となりますので、自覚している不調のすべてを詳しく伝えることが大切です。

●「切診」は体に触れて

医師が患者さんの体に直接手を触れて行う診察法で、漢方では時に、手首で脈をみる「脈診」と腹部を診察する「腹診」から得られる情報が重視されます。

「脈診」では、脈がしっかりしているか弱々しいか、早いか遅いか、皮膚の表面近くで打っているか深いところでうっているかなど、脈の性質をみます。

また、「腹診」では、患者さんの腹部を手で触れたり押したりして診察し、腹璧の力、緊張や抵抗、圧痛のある部位などがポイントになり、腸がムクムクと動く、お腹を軽くたたくとポチャポチャと音がするなども重要な情報です。「腹診」で特徴的な所見があれば、処方の決め手になることが少なくありません。

漢方治療は、このように進められる。

「四診」によって得られた情報をもとに、医師は「陰陽」「虚実」「気血水」「五臓」「六病衣」などの”ものさし”を組合わせて、診断である「証」を見極め、その「証」に基づいて治療に用いる漢方薬が決められます。

慢性的な症状であれば、通常、先ず2週間ほど服用して変化をみます、薬があっているようなら服用を続け、変化がなかったり、かえって体調が悪くなったような場合には処方を変え、治療中にも、「証」に変化があれば、それに応じて処方を変えていきます。

また、西洋医学的な検査をしないと見つからない病気もあり、西洋医学的な治療を優先すべきときもありますので、漢方治療を希望する場合も、まずは西洋医学の検査・診断を受けて病気を確認するのが基本です。西洋医学での病名は、理論的には漢方の「証」と関係ありませんが、実際には漢方薬を選択する際にも考慮されます。